執事 無垢品宗生
檀信徒の皆様いかがお過ごしでしょうか。近頃、朝夜の冷え込みが晩秋を感じさせますね。インフルエンザも今年は2か月も流行が早まっているようです。今秋の台風被害の大きかった地域の方は特に、体調にお気を付けくださいませ。
今回は11月6日に駒込の臨済宗勝林寺さんにて行われました、略して「僧GC」プレ講座に2015年の修了生として参加してきたご報告です。
4年前、この寺報でも受講のご報告をいたしましたが、「グリーフケアが当たり前にある社会」を提唱されている一般社団法人リヴオンさんによる講座です。4年前のこと、覚えている方はあまりいないでしょうね(笑)。
あらためてグリーフとは、「大切な人、ものなどを失うことによって生じる、その人なりの自然な反応、状態、プロセスのこと」です。本来グリーフは死別に限らないのですが、「僧GC」は僧侶向け講座なので、特にご遺族に対するサポートや、「あり方」を学ぶ場になります。
そこで4年前の受講後に私がどう変わったのかを、これから本講で学ぼうとする16名のお坊さんたちの前で修了生として15分間話すべし、という依頼を頂いたのです。
プレ講座の流れは、まずグリーフの基礎を講義で学びます。休憩後に3人1組を作り、「ロールプレイ」という、2名がそれぞれ遺族役、僧侶役を演じ、そのやり取りを見ている1名が、演じた2名に感想を伝えるという、なんとも刺激的な体験がメイン。そして皆さんが頭も体も疲弊してきた終盤に、修了生としての発表、質疑応答の順。
このような場にお越しになるということは、すでに問題意識を持っておられる証拠であり、ちらっと自己紹介を聞いただけでも20年、30年の僧侶歴の方もいて、私のような若輩者が何を話せるだろう、と頭痛がしてきました。
徐々にその時間が近づくにつれ、「求めてたのとちがう!」と言われるのではないかと想像し、逃げ出したくなります。しかし代表の尾角さんや、仲間の励ましの声をうけて腹を括りました。ざっくりいうと「聞くことを大事にするようになった」という内容を15分話しました。頭痛が治りました。
さて私の話はともかく、お坊さん達が、受付時はピリピリした怖い顔だったのに、お帰りの際には笑顔も見れたことが、一番印象的でした。きっと4年前の自分もそうだったんでしょうね。
「一経入魂」
主催 一般社団法人リヴオン http://www.live-on.me
前住職 佐山拓郎(第40世 平成26年~令和3年)
昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。
執事 福田 貴宏
現住職 無垢品 宗生(第40世 令和3年 晋山)
縁を大切にしたいと人気声優と手紙のやりとりを続け、
今年の1月には彼らが司会を務めるラジオ番組にも出演する。
執事 堀 研心