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法話コラム ウグイス谷から

住職 佐山拓郎

VOL.132 住職佐山のコラム(2018秋号)

私が住職となってから4年が経った。この4年間、様々な試みを行ってきたが、定着したものもあれば、あまり根付いていかないものもある。

3年前から始めた「寺ヨガ」や「遊哲会(てらてつ!)」は、常連の方が増えてきた。当初はお客様が一人や二人、時にはゼロ人のこともあったが、最近ではコンスタントに5~10人の参加者が来るようになった。厳土尊者の「まいた種は、おそかれ早かれ芽を出す」というらかんさんの言葉を励みに、コツコツと続けてきた結果だと受け止めている。

私の就任前から続いている「写経会」も、波はあるものの、4~5名ほどは、毎月15日に集まる。こちらは、長年続けてきたことによる実績と、「写経」という分かりやすいコンテンツだということが大きいと思っている。

目下の悩みは、もうひとつ長年続けてきた「念仏会(今年4月、修養会より改題)」の参加人数の伸び悩みである。

以前は、浄土宗のお勤めの中に、詠唱の練習なども合わせ、20名ほどの参加があった行事だが、ここ数年は2~4名という状況が続いている。詠唱指導の需要が減ったことや、参加者の高齢化などにより、徐々に参加者が減ってきてしまい、今に至っている。

 

念仏会のだいたいの時間割は、まず10~15分ほど、僧侶の法話。そして、40分ほどのお勤め。お勤めの中で、お念仏の際には、参加者全員で木魚を一緒に叩いていただく。部屋の電気を消し、外光と灯明のみに照らされながら、一心不乱に念仏する。これはなかなか味わうことのない体験なのではないか。

お勤めのあとは、一時間弱ほど、僧侶との茶話会となる。僧侶への疑問や、お寺への要望、法話への質問などから単なる雑談まで、様々な話題が展開される貴重な時間。実は、僧侶と参加者の距離が、一番近い行事なのだ。

全体で二時間ほどの中で、これほどまでに盛りだくさんの内容。そしてなんと、五百円で参加できてしまうという気軽さ。五百羅漢寺の行事の中で、最もコストパフォーマンスが良いのが、この「念仏会」なのである。

今まで参加者が伸び悩んでいたのは、内容が分かりづらかったことや、参加者たちの輪に入りづらかったことなど、様々な要因が考えられる。そんな状況のなか、徐々に参加者が減っていってしまった。今回、ここで詳しく内容を説明することで、また皆さまにいらしていただけるようになるといいな、と思っている。

観無辺尊者の「長い眼でものを観る」というらかんさんの言葉を励みに、少しずつ頑張っていきたい。

【平成30年 念仏会予定】

11月24日(土)・12月22日(土)

14時より アミダ堂にて

参加費500円

連載記事アーカイブ

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ウグイス谷から 住職 佐山拓郎

前住職 佐山拓郎(第40世 平成26年~令和3年)

昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。

仏教手習い草紙 執事 福田貴宏

執事 福田 貴宏

体験日記 執事 無垢品宗生

現住職 無垢品 宗生(第40世 令和3年 晋山)

縁を大切にしたいと人気声優と手紙のやりとりを続け、
今年の1月には彼らが司会を務めるラジオ番組にも出演する。

寺宝探訪記 執事 堀研心

執事 堀 研心