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トップページ > らかんさん広場 > 寺宝探訪記 VOL.132 寺宝探訪記 羅漢像修理報告 093頭陀僧尊者執事②

寺宝探訪記

執事 堀研心

VOL.132 寺宝探訪記 羅漢像修理報告 093頭陀僧尊者執事②

● 前回からの続き
羅漢像の修理・修復は、「現状維持修復」といって、これ以上壊れたり、朽ちてしまうことを防止することを目的とした修理・修復です。
「修復したから新品同様になる」わけではありません。見た目には、どこを修理されたのかわからないかもしれませんが、羅漢像を恒久的に維持していくための修理・修復です。

羅漢堂に安置されている「093 頭陀僧尊者(ずだそうそんじゃ)」は、さいたま市にある「古文化財保存修復研究所」で修理・修復されました。

修理工程 (施行内容)

① 全体の汚れ・埃を清掃した。

清掃は刷毛(はけ)等を用いて行い、薬品を用いての過剰な清掃は控えた。体幹部分は掃除機で清掃を行った。

② 後補表面の除去を行った。

顔面・瞼(まぶた)の一部、鼻左脇、左右の耳の一部、首右前面の一部、鉢の内部に残る金箔部は除去した。
肉身部は、当初と考える黒漆(くろうるし)部分に基準をおき、その上に被る後補の下地は除去し、黒漆面を露した。
衣部分は縁の装飾部の泥地は除去したが、その他は現状を維持した。

③ 一部浮いていた表面には剥落止めを行った。

④ 頭部を体幹部から取り外し、更に前後の部材に解体した。

最初に全体の埃を刷毛で払い落し清掃した。

 

粗悪な後補の泥下地も除去した。

 

清掃作業。

 

修理検討会で顔面部の後補表面は除去することになった。

 

頭部を体幹部より取り外した。

 

後補表面除去作業。

 

汚れは布で拭い落した。

 

耳の中の後補表面も除去した。

 

全体の埃・後補表面及び泥下地が清掃された。

 

清掃後の表面部分

 

清掃後の表面部分

 

後補の補修材を除去した。

 

嵌め込まれていた木片。

 

補修材が除去された矧ぎ目部分。

 

鉢の中の後補表面も除去された。

 

清掃作業が完了した。

 

前後に取り外された頭部。

 

ーー 次回は、修理工程の後半と修理後の状態です。

連載記事アーカイブ

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前住職 佐山拓郎(第40世 平成26年~令和3年)

昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。

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現住職 無垢品 宗生(第40世 令和3年 晋山)

縁を大切にしたいと人気声優と手紙のやりとりを続け、
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寺宝探訪記 執事 堀研心

執事 堀 研心