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体験日記

執事 無垢品宗生

VOL.131 「2月17日一千礼拝行」に参加して

初夏ですね、皆さまいかがお過ごしでしょうか。少し前の話になりますが、聞いてやってください。またまた芝公園の観智院さまでの恒例「一千礼拝行」のお話です。そろそろネタ切れです。

 

早いもので私が羅漢寺にお世話になってからこの春で丸五年、この「一千礼拝」に参加するようになってはや四年目となります。翌日のヒザと太ももが崩壊する礼拝行ですが、初年度を除き目下「1000」に到達できずにおります。しかし礼拝はあくまでもお念仏の付属品。頭では理解していますが、「どうせやるなら1000回」という思いを捨てられずにこの日を迎えました。

本堂に到着し、予定表を見ると今年はなんと800礼めに「担当無垢品」の文字が。この礼拝というのは「3回お念仏を唱えるあいだに立って座って5体を投地」して1礼なのですが、始まりに「礼拝師(らいはいし)」と呼ばれる、キッカケの発声をする役の方がいます。

この方がまず始めに2回念仏を唱えたあと、3回目の念仏から大衆が輪唱するのです。例えるなら広島東洋カープの外野席の応援のように、礼拝師と大衆が交互に立ったり座ったりするのですが、そのキッカケ役を801~900までの100回任されたのです。ペースが早すぎても遅すぎても皆さんに迷惑をかけますし、音程も下音、中音、上音を行ったり来たりしますので全く気が抜けません。

後半はかなり厳しいヒザ状態であることが予想されたため「出来れば前半のほうが助かるなあ」と思ったのはここだけの話です。

今年は前半の記憶がほぼなく、気づけばすでに801礼めに突入です。無我夢中で、音程やペースが適正だったのかは定かではありませんが、知人の方に「良かったよ」と言って頂けたのでお世辞でなければ、良かったのでしょう。

こうして無事大役を終え、すぐに次が始まりそうな気配がなかったのでいったん退堂。少しずつ終わりも見え始め、何とも言えない充実感に包まれながらお手洗いで用を足しておりましたら、ふいに遠くで901礼めの発声が聞こえるではありませんか。あわてて衣と袈裟をつけるも、時すでに遅し。せっかく900礼まで完全だったのですが、どうやらこれを世間一般では「油断」と呼ぶようです。

外界ではその日、フィギュアスケートの羽生結弦選手が油断とは程遠い、感動的な演技で金メダルを獲得し、日本中が湧いていたのと対照的です。この日の私は五輪風に言えば惜しくも銀メダル。しかし礼拝も五輪も「参加することに意義がある」のです。え? 一緒にするな?

「一経入魂」

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前住職 佐山拓郎(第40世 平成26年~令和3年)

昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。

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体験日記 執事 無垢品宗生

現住職 無垢品 宗生(第40世 令和3年 晋山)

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