執事 無垢品宗生
皆さまこんにちは。お風邪などひかれていませんでしょうか。今年の節分会は例年になく春のような気温でしたが、翌週には雪が降るなどまだまだ寒い日が続いています。
今回は、もう昨年の話になりますが毎年12月1日に築地本願寺にて行われている自死者追悼法要「いのちの日・いのちの時間 東京 2018」に参加した件についてご報告したいと思います。
こちらの法要は毎年6月にお手伝いしている浄土宗の増上寺での自死者追悼法要とは別団体で、主催は宗派を超えた「自死・自殺に向き合う僧侶の会」です。私はこの会の会員ではないのですが、ご縁あって3年前からこの法要のお手伝いをさせて頂いております。この追悼法要も増上寺と同じく事前研修を受講した僧侶しかお手伝いをすることが出来ません。
事前研修では法要のリハーサルはもちろんのこと自死遺族の方の講義を聴講したり、ロールプレイ(役割演技)を行ったりします。私の今年の担当は受付班だったのですが、当日に起こりうる場面を想定して僧侶の方に遺族役を演じていただき、どのように対応すれば参加する方々が安心・安全に過ごせるかということをグループで検討いたします。
受付班は駅からの案内班とあわせて、ご遺族と最初の接触をする重要な役割ですので、法要にスムーズに参加できるよう連携をとります。
そして当日、約200名のご遺族に法要に集中していただくために、すべてのマスコミ取材をご遠慮いただくのは当然として、築地本願寺という場所柄、外国人観光客の方が興味本位で覗かれたりするのを防ぎます。また自死以外で大切な方を亡くされた、というご遺族にも涙をのんで「自死遺族」しか参加できないことをお伝えして入場をお断りをします。
こうして作り上げた法要後に、希望されるご遺族とお茶を飲みながらお話を伺います。なかなかクレームは言いづらい状況とはいえ、概ね「参加して良かった」という感想を頂けるとほっとします。
なかには「実際の葬儀のやり直しと思って参加している」という方や「この法要を励みに一年を過ごしている」という方もおられ、身の引き締まる思いです。そういったご遺族の少しでもお役にたてるなら、今後も微力ながらお手伝いが出来たらと考えています。
「一経入魂」
「自死・自殺に向き合う僧侶の会」
前住職 佐山拓郎(第40世 平成26年~令和3年)
昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。
執事 福田 貴宏
現住職 無垢品 宗生(第40世 令和3年 晋山)
縁を大切にしたいと人気声優と手紙のやりとりを続け、
今年の1月には彼らが司会を務めるラジオ番組にも出演する。
執事 堀 研心