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寺宝探訪記

執事 堀研心

VOL.134 寺宝探訪記 羅漢像修理報告 097 無相空尊者①

毎年、3~4体ずつ修理されている羅漢像。これまで修理された羅漢像を紹介します。
※羅漢像の修理・修復は、「現状維持修復」といって、壊れたり、朽ちてしまうことを防止することを目的とした修理・修復です。
「修復したから新品同様になる」わけではありません。見た目には、どこを修理されたのかわからないかもしれませんが、羅漢像を恒久的に維持していくための修理・修復です。

羅漢堂に安置されている「097 無相空尊者(むそうくうそんじゃ)」は、さいたま市にある「古文化財保存修復研究所」で修理・修復されました。
今回はまず、現在の無相空尊者の画像をご紹介します。

他の像と比べても、これといって違和感はありません。損傷が激しいというわけでも、妙に新しく感じるということもありません。
続いて、修復前の無相空尊者の画像です。

ひどい状態です。
修復後と修復前の画像を比較すると、その損傷の具合は一目瞭然です。このような状態の羅漢像が安置されている(安置されていた)ことにお気づきになった方は、どれくらいいらっしゃったでしょうか。(実は、一体ずつ、よく観察していくと、損傷の激しい羅漢像が多数あることにお気づきになるでしょう。

無相空尊者の損傷状態は、たいへん厳しいものでした。崩壊のおそれがあり(すでに崩壊していたとも言える)一刻も早い修復が必要でした。
損傷状態をチェックしたカルテには、次のように書かれています。

損傷状態
*全体に長年の埃・汚れが堆積・付着していた。
*各部材がすでに遊離していた。(近年遊離していた部材を、補助部材にて仮結合し、像容を保っていた。)
*各所に表面漆層の剥落、浮きあがりが起きていた。特に胸部・肉身部の表面層の傷みは状態が悪かった。
*左右の肩挿入材、体幹部前面材上部及び上部が欠失していた。
*左手・甲の一部が欠失していた。
*右袖の一部、右膝前の裳先の一部、左袖先の一部が欠失していた。
*右足先が欠失していた。
*左腰脇の一部が欠失していた。
*裳先、持物が欠失していた。
*首ホゾ周りが大きく欠失していた。
*右手首が亡失。
*虫食いが確認できた。

ひとつひとつの状態をくわしく説明することはできませんが「ひどい状態」です。

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ウグイス谷から 住職 佐山拓郎

住職 佐山拓郎(平成26年 普山 第40世)

昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。

仏教手習い草紙 執事 福田貴宏

執事 福田 貴宏

体験日記 執事 無垢品宗生

執事 無垢品 宗生

縁を大切にしたいと人気声優と手紙のやりとりを続け、
今年の1月には彼らが司会を務めるラジオ番組にも出演する。

寺宝探訪記 執事 堀研心

執事 堀 研心