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体験日記

執事 無垢品宗生

VOL.126 一千礼拝(らいはい)行に参加して

去る2017年1月28日(土)に芝公園にあります観智院(土屋正道住職)さんに於いて勤修されました「一千礼拝の会」に参加致しました。今年で区切りの25年目の開催となる恒例行事です。私自身は今年で3年目の参加となります。

私がこの会の存在を知ったのは3年前。毎月第四土曜日に羅漢寺にて行われている「修養会」後の茶話会でした。雑談のなかで信徒Sさんが、毎年12月に京都のお寺で行われている三千礼拝行に参加していると唐突に仰ったのです。「え!三千ですか?」と耳を疑いましたが、お坊さんではない在家のSさんが三千回の礼拝を毎年冬にしているというのです。さらには「無垢品さんもどうですか」とサラリと勧誘。「京都に三泊ですか…」と渋っておると、間髪入れずに檀家Aさんが「まずは観智院の一千礼拝から始めてみたらどうですか」と畳み掛けて来られたのです。こうなるともう、なんとなく流れ的にやるしかないという雰囲気に。

礼拝とは「南無阿弥陀仏」を3回唱える間に正座の状態から立ち上がり、その後に両膝、両肘、額の五体を接地し阿弥陀様の御足を頂戴する、全身を使ったスクワットのようなものです。ふだん運動などロクにしていない私などは、30礼で十分筋肉痛になります。

午前10時より午後8時まで休憩や食事をはさみながら200礼拝を5セットという長丁場。実は私的なヤマ場は午前の200礼拝終了後で、既にヒザは痛く太ももは震え、午後からの残り800礼を考えると気が遠くなるのでした。そんな折れかけた心に響いたのが、檀家Aさんの「お坊さんが途中退席するわけにはいきませんよねえ(笑)」という言葉…。出入り自由という条件とはいえ、なんとか気持ちを奮い立たせて午後の部へ。

さらにらかん亭のF料理長に「千回なんて無理ですよ、500もいかないんじゃないですか(笑)」などと言われたことをふと思い出し、「何としても500回は超える」という一心で継続。さまざまな邪念を推進力に、どうにかこうにか千回に到達したのでした。翌朝、太ももとヒザが立ち上がれないくらいに炎症を起こしたことは言うまでもありません。

こんなにキツイのになぜか翌年以降も参加を希望し、昨年は法事があり600礼、今年は所用があり800礼に止まったことに対して、逆に不完全燃焼な気分でいるのが不思議です。

つい次回こそは一千礼と言いたくなりますが、土屋観道師のお言葉に「頭を下げるのと頭が下がるのは違うぞ」というものがあります。心からの礼拝でなければ回数だけ多くても真の礼拝ではないという戒めです。正に「頭が下がる」ご忠告です。

「一経入魂」

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前住職 佐山拓郎(第40世 平成26年~令和3年)

昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。

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体験日記 執事 無垢品宗生

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