元禄4年(1691年)、松雲元慶が一体目の羅漢像を彫り上げてから、300年以上。500体以上あった羅漢像は、さまざまな苦難の歴史を経て、その存在感は、多くの拝観者を魅了している。(現存305体)
この五百羅漢に魅入られ、昭和57年(1982年)に寺内にこもり羅漢と向き合い続けた写真家に林忠彦がいる。
「松雲が表現した人間の喜怒哀楽の表情―‐をポートレート写真の基本と考え、人物写真で“千人切り”といわれる私が修得したライティング、カメラアングルの技法を駆使して表現した」とし、昭和の名手によって見事な造形が写し出されたのである。
時を経て平成30年(2018年)、現代を生きる写真家、大和田良が同じく五百羅漢に向き合った。寺内に暗室テントを張り込み、太陽の光を用いて使われたのは、コロジオン湿板法と呼ばれる、江戸末期から明治初期に使われていた写真技法だった。
「時空を超えた視線を獲得したかった」と語る大和田の撮影した羅漢像は、淡く繊細な、それでいて存在感溢れる映像によって再現された。
林忠彦と大和田良、二人の写真家の作品は、同じ羅漢像を撮影したとは思えないほどの違いがある。その違いを突き詰めれば、互いの「視覚」によるものだと言える。
同じものを眺めても、その見かた、見えかたには大きな違いがある。
ふたりの写真家の「視覚」の違いを通し、五百羅漢を眺めることは、見る側にもまた新たな「視覚」をもたらすことだろう。
五百羅漢を巡る二人の写真家の視覚を、この機会に是非ご覧になって頂きたい。
■ 令和2年2月9日(日)
定員に達しましたので申し込み受付を終了させていただきます。
五百羅漢像撮影会
「写真撮影を通して五百羅漢像を眺めてみよう」
普段は撮影を禁じている五百羅漢像を、特別に自由に撮影できます。この機会に、ファインダーを通して五百羅漢像を眺め、今まで見えなかった表情やディテールをご覧ください。
当日は大和田良さんが一緒に撮影を行い、コツをアドバイスします。是非、表情豊かな五百羅漢像の撮影をお楽しみください。
カメラ(撮影機材)の種類は、問いません。ご自身でご用意ください。三脚レフ板等の使用はできません。
■ 令和2年3月15日(日)
インスタントカメラinstax"チェキ"を使って仏像を撮影
「五百羅漢像を通して写真表現を楽しんでみよう」
写真家 大和田良さんと一緒に、富士フイルムのインスタントフィルムカメラ「instaxSQ20」で、羅漢像の撮影しませんか。
「SQ20」は、液晶モニターを見ながら撮影し、その場で選んで、プリントすることができます。画像の編集・加工もできるので、様々な表現を楽しめます。
撮影で使用するカメラ「SQ20」は全ての参加者に一台ずつお貸し出し致します。フィルムはお一人につき10枚分が参加費に含まれています。
■ 令和2年3月21日(土)、3月22日(日)
二日間限定 湿板写真館
「コロジオン湿板写真(ティンタイプ)による肖像写50真撮影」
今写真家 大和田良さんが羅漢像を撮影した写真技法「コロジオン湿板写真」。歴史の本などで見られる、坂本竜馬の肖像写真と同じ技法です。
今回は金属を用いたティンタイプというコロジオン湿板法で皆さんを撮影し、お渡し致します。個人や家族の記念の一枚として残してみませんか。
撮影は1組につき1枚です。4人まで一緒に写ることができます。
協賛
ミカ製版株式会社
hasunoha
株式会社ライトワンネスオフィス
株式会社結縁企画
株式会社なか道
向源実行委員会
株式会社都典礼
株式会社想心セレモニー
協力
林忠彦作品研究室
株式会社モデルノ
後援
一般社団法人 めぐろ観光まちづくり協会
yab山口朝日放送
KRY山口放送
朝日新聞社 寺社文化財みらいセンター
公益財団法人 仏教伝道協会
一般社団法人 寺子屋ブッダ
ヨミトク会
株式会社廣済堂
目黒不動商店街振興組合